コールセンター 電話応対講座 AtoZ_02

柔らかい印象で話すことの早口はデメリットばかり!

第2回は「スピードとかぶり」について考えます。コールセンターだけでなく、仕事で電話を使っている人の中には、早口にならないようにと意識している方も多いのではないでしょうか。しかしながら、話す速度に意識を向けていても、実際にゆっくりと話すのは想像以上に難しいものです。

電話の場合、アイコンタクトなどのコミュニケーションもなく、話すことに集中してしまうことが早口の原因の一つと考えられます。

そもそも、なぜ早口で話すことはよくないのでしょうか。私たちは日頃から数多くのコールセンターの応対品質の調査を実施しており、その分析結果を通じて、スピードが速いことのデメリットをよく理解しています。早口は皆様が想像している以上に、悪影響を及ぼしている可能性があります。

デメリット① ご案内すべき情報が欠落する可能性

早口で話すと、話し手が落ち着いて会話を進めることを妨げます。自分の速い会話のペースに飲み込まれてしまい、次に話すことを考えつつ、どんどんと説明を続けてしまうと、説明がわかりづらくなったり、重要な情報が抜け落ちてしまう可能性があります。冷静に対応するためにもスピードをコントロールすることは重要です。

デメリット② お客さまの理解度が下がる

話のスピードが速いと相手の理解度が下がります。このことは、これまでの私たちのいくつかの調査でもわかっていることです。しかし、お客さまは話の6~7割がわかると、「なるほど」「そうなんですね」「わかりました」ということが多いようです。その後、実際に手続きや教わったことをやってみようとして初めて理解が滞っていることに向き合うこととなります。

デメリット③ お相手の不快感につながる

話すスピードが速すぎると、冷たい印象や事務的な印象を与えるので注意しましょう。また、早口で話す人は相手の話にかぶせがちです。たとえコンマ1秒であっても、何度も相手の話をかぶせてしまうと、お客さまの満足度が急激に低下してしまうこともあります。せっかくお相手の役に立ちたいという思いを持っていても、早口なだけで冷たい印象を与えるのは避けたいものです。

実践ポイント!  

ポイント① 基本的にはゆっくりと!

お客さまと電話でお話する場合は、原則は「ゆっくり」を心がけます。普段よりも1.5倍ぐらい時間をかけて話すのをイメージするとよいでしょう。ゆっくり話すためには、口の開閉を大きくすることも有効です。

ポイント② お客さまの会話のテンポも気を配る!

お客さまの会話のテンポにも意識を向けましょう。ただし、早口のお相手に合わせて自分も速く話すことは危険です。自分が速く話すお客さまでも、こちらが早口で話すと、説明を理解できるとは限りません。早口のお客さまやお急ぎのお客さまに対応する場合は、重要な部分はゆっくりと話し、それ以外の意味のない部分は速めに話すなど、速度に強弱をつけると良いでしょう。

例えば、手続きや料金に関する重要な部分はしっかりとゆっくりと話し、逆に「さようございますか」などのあいづちや「メモのご準備はよろしいですか」といった部分については速度を上げて配慮することができれば、お客さまもこちらの気遣いを感じ取ってくれることでしょう。大切なのは、お客さまのペースに合わせながら、情報を正しく伝えることと、お客さまが理解しやすいテンポで対応することです。

ポイント③ かぶらないように、ひと呼吸おいてから話し始める

お相手が話し終わったあと、こちらの声がかぶらないように気を付けます。また、お客さまの話が終わったら、ひと呼吸おいてから話し始めるとよいでしょう。感覚としては、手をパンと一度叩いてから話すようなイメージです。

以上が、「スピードとかぶり」のポイントでした。今後の電話応対の参考にしていただければ幸いです。

株式会社 booster 石橋由佳

サービスのご紹介

boosterのコールセンター向け研修は、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れ、楽しみながらアタマとカラダで吸収することができるカリキュラムです。研修を検討した背景に着目し、明確なゴールを見据えた学習をご提案します。

コールセンターの「感じのよい応対」を目標として、学習効率の高いカリキュラム。「わかる」を「できる」に変えるため、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れた実践型の研修です。