コールセンター 電話応対講座 AtoZ_06
お礼の重要性
第6回目は、お客さま満足に大きな影響があるお礼について考えてみたいと思います。
コールセンターでのお客さま応対における「お礼」のシーンは、単なる礼儀正しさを超えた、深い意味を持っています。まず、お礼はお客さまとの信頼関係を築く基礎となります。
また、お礼は、単なるマナーの範疇を超え、スムーズな会話運びやお客さま満足度の向上やブランド価値の向上など、様々な効果が期待できます。
ただし、ただお礼の言葉を言えばいいのではなく、その質やタイミング、回数などが重要です。
電話での会話における「お礼」の回数とお客さま満足度との間には、相関性が存在すると考えられていますが、ただお礼の言葉をたくさん言えばいいというわけではありません。どのようなタイミングで、どのように表現されるか、つまりその「質」が重要なのです。
電話応対をする際のお礼は、お礼を言うシーンや回数、内容、そして表現など、様々なことを意識をして、お客さまの心に訴えかけることが大切です。以下で整理してみましょう。
実践ポイント!
ポイント① お礼を伝えるシーン
電話応対では、様々なシーンでお礼をいうことが求められます。
●お問い合わせ、ご連絡をいただいたお礼
●電話が繋がらない時にお待ちいただいたお礼
●ご愛顧、ご利用へのお礼
●ご検討へのお礼
●情報を教えていただいたことへのお礼
●解決にむけてご協力いただけたことへのお礼 等々
お礼をタイミングよく回数を重ねることは多くの場面で有効ですが、過度に繰り返すと、逆に不自然さや形式的な印象を与えてしまう可能性があります。そのため、お礼の表現は、状況に応じて適切な頻度で行うことが重要です。
ポイント② 豊かな表現で
受話器を手にして、体全体を使っておじきをしながら言うと声に気持ちがこもります。お礼は特に気持ちが伝わりやすいので、この部分を特にオーバーに言うことで、会話全体のメリハリを付けることができます。
「ありがとうございます」は他の言葉よりもゆっくり、丁寧にいいましょう。とても速い無機質な「ありがとうございます」は言っていないのと同じになってしまいます。
「ありがとうございます」には2つの種類があります。ひとつは感謝の気持ちを伝えるもの。もうひとつは連絡先確認などの際にあいづちとして使うものです。感謝の気持ちを伝えるシーンはさほど多くありません。大切な機会と捉えて、特に丁寧に言いたいものです。
具体的な言い方のポイントは、「あり」の部分にインパクトをもたせること。こうすることでより表現豊かになります。この部分をはっきりと発声し、少し声のボリュームを大きくする、抑揚をつけるなどすると、心のこもったお礼として聞こえるでしょう。
ポイント③ ご愛顧や契約、ご検討のお礼は最上級に
「ありがとうございます」のお礼ひとつでも、使うシーンによって感謝のレベルを意識しましょう。例えば、住所を教えていただいた際のお礼と商品検討のお礼とでは意味が大きく違います。なかでも、ご愛顧やご契約へのお礼は最上級を意識して言いたいものです。
顧客情報や過去の応対履歴を閲覧したうえでお礼を言う場合は、通り一遍なお礼よりも、お客さまのこれまでのお取引や特定の行動に対して個別の感謝を示すことが、より強い満足感を与えます。これによりお客さまは、自分が大切にされていると感じることができます。
ポイント④ 理由を添える
お礼を言う際、「理由」を添えることにより上質な謝辞に変化させることができます。
「詳しく教えていただき、ありがとうございます」
「(留守番電話にメッセージを残したあとのご連絡に)お忙しい中、ご丁寧に折返しのご連絡をありがとうございます」
「(自社商品検討に対して)数ある商品のなかから、私どもの◯◯をお気に留めていただき、ありがとうございます」
などです。
いかがでしょうか。コールセンターのお客さま応対において、お礼は非常に重要なシーンです。ぜひ一度振り返ってみるのはいかがでしょうか。上質な電話応対のヒントになれば幸いです。
株式会社 booster 石橋由佳
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boosterのコールセンター向け研修は、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れ、楽しみながらアタマとカラダで吸収することができるカリキュラムです。研修を検討した背景に着目し、明確なゴールを見据えた学習をご提案します。
コールセンターの「感じのよい応対」を目標として、学習効率の高いカリキュラム。「わかる」を「できる」に変えるため、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れた実践型の研修です。