コールセンター 電話応対講座 AtoZ_01
はじめに
『コールセンター 電話応対講座 AtoZ』のコラムを担当します株式会社 boosterの石橋由佳です。コールセンター業界に携わるようになって早30年! 自宅でも企業からのアウトバウンドを心待ちにしている電話オタクで、電話がかかってきたらすかさず録音をして研究事例として収集しています。そんな私ですが、これだけ長く電話応対の仕事をしていても、その奥深さに日々驚くことばかりです。メッセージアプリ全盛の世にあっては電話が苦手、という声もよく聞きます。想像以上に難しい電話応対について、オペレーターの方々になにかヒントになることがお伝えできればと思い、このコラムをスタートしました。
笑声は最強のスキル!
第1回は「笑顔の感じられる」話し方です。コールセンター業界では「笑声」と呼んだりしますね。私たちboosterでは、日々、電話応対に関する研修を行っていますが、一番最初に学習するのががこのスキル(技術)です。
私は、「笑顔は電話応対において最強のスキルである」と考えています。なぜなら、これがあるとないとでは、お客さまの反応や満足度が大きく変わるからです。例えば、苦手な内容の問い合わせを受けた場合、即座にわかりやすい説明が出てこなくても、感じが良ければお客さまはおおらかに受け止めてくれるかもしれません。
一方で、同じ説明で笑顔がなかったら、お客さまはダイレクトに「わかりづらい」と感じてしまうでしょう。ですから、円滑なコミュニケーションのためには、笑顔が大きな役割を果たすのです。
「えっ?笑顔で話すことなんて、人から教わることなの?」と思う方もいるかもしれませんが、実はこれが意外と難しいのです。普段と同じような感覚で話してしまうと、どことなく事務的だったり、淡々として聞こえることがよくあります。対面での会話は、声や話し方だけでなく、顔の表情や身振り手振りも相手に伝わりますが、電話応対では耳で聞く音(声)だけが印象を決める材料となるため、笑顔が伝わりづらいのです。また、生の話し声ではなくデジタル音に変換される点も影響しているかもしれません。
実践ポイント!
ポイント① オーバー に!
「笑声」を実践するにあたってのポイントは「オーバーさ」です。笑顔を意識して、温かみや好感度の高い話し方を心がけることが大切です。あまりにも笑い過ぎると不自然になるかもしれませんが、おおげさすぎるかな?と思うぐらいがちょうど良いかもしれません。コールセンターでは、オペレーター席に鏡を設置している場合もありますが、説明に集中するあまりに真顔になってしまうと、急に冷たい印象を与えてしまうので、注意が必要です。
ポイント② 口を大きく開ける!
口の開閉を大きくすることも大切です。口を小さく開け、口内で音を転がして話す人がいますが、覇気が感じられず、お客さまからあまり好感を持たれません。
ポイント③ メリハリを大事に
そうはいっても、笑顔で話すことが苦手だと感じる人もいるかもしれません。でも、どうぞ安心してください。通話中ずっと笑顔を意識する必要はありません。会話の最初やお礼、あいづちなどのシーンで大きな笑顔を心がけることでもよいでしょう。ふとした瞬間の姿がお客さまから「この人、いい感じだな」と印象を持ってもらえることができれば、説明部分や情報収集などは真剣な声でも問題ありません。メリハリが重要です。
電話応対を磨くには、自分の話し方を知ることが大切です。自分のスマートフォンの録音アプリを使用して、自分の声がどのように聞こえているかを確認し、必要に応じて改善していくことも有効です。
以上が、「笑声」のポイントでした。今後の電話応対の参考にしていただければ幸いです。
株式会社 booster 石橋由佳
サービスのご紹介
boosterの研修は、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れ、楽しみながらアタマとカラダで吸収することができるカリキュラムです。研修を検討した背景に着目し、明確なゴールを見据えた学習をご提案します。
コールセンターの要であるスーパーバイザーへの研修は、センターの実情に合わせて柔軟にカスタマイズした研修カリキュラムをご提供します。「わかる」を「できる」に変える実践型トレーニングです。