コールセンター 電話応対講座 AtoZ_04
オープニング、クロージングが持つ力
第4回目は「 オープニング」と「クロージング 」に注目してみましょう。
オープニングは、お客さまとのコミュニケーションの第一歩です。この瞬間において、お客さまはあなたや会社の印象を感じ取ります。
具体的には、丁寧な挨拶と自己紹介を通じて、信頼できる相手であると感じていただくことができます。そして、その上で、プロフェッショナルでありながらも友好的な態度で、お客さまに安心感を提供することにも繋がります。
また、クロージングでは、お客さまとの応対が終了することを共有する大切な場面です。この段階で、感謝の気持ちをしっかりと伝えることを心がけましょう。これにより、お客さまは自分のことを大切に思っていると感じ、次回の問い合わせや取引に対して前向きな印象を抱いていただける可能性が高まります。
お手続きや今後のプロセスがある場合は、次のステップや関連する情報提供の案内を行うことで、お客さまが必要な情報を得て、コミュニケーションの流れがスムーズに保たれることがあります。
米国で行われた調査によると、クロージングの質が高くない場合でも、クロージングがよいと顧客満足が高くなるという結果が出ています。したがって、最後にお客さまの気持ちをしっかりとつかむよう意識することが重要です。
実践ポイント! オープニング、クロージング
ポイント① オープニングにパワーを込める!
コールセンターではオープニングやクロージングについてはスクリプトが用意されている場合がほとんどでしょう。会社によって、部署名を伝えるところもあれば、個人名を伝えないポリシーのセンターもあります。それぞれのルールは、その背後に理由があるため、与えられたスクリプトに従うことが大切です。
スクリプトがない場合、例えば「お電話ありがとうございます。こちらは《会社名》の《部署名》の《担当者名》です」というような表現が一般的です。
オープニング部分は、前の応対が終了して「さて、次の問い合わせ!」といった気軽な感じで行ってしまうことがあるかもしれませんが、これは実は非常にもったいないことです。
心理学の観点から考えると、ミラーリングという心理現象があります。これは、「相手の行動や態度を模倣することによって、共感やコミュニケーションを深める現象」です。コミュニケーター自身が感じよく、親しみやすい態度でオープニングを行うと、お客さまも同じような態度で応じる可能性が高まります。逆に、自分の態度が相手に影響を与えることも考えるべきです。したがって、意識的に最高の話し方を心がけることが大切です。
ポイント② インバウンドでは用件の要約確認を!
お電話の用件を最初に確認することによってスムーズなご案内が可能となります。同時に傾聴の姿勢を示すこともできるため、インバウンドではこの部分までをオープニングと捉え、丁寧に進めましょう。
ポイント③ クロージングに入る前に一声かける!
インバウンドの場合、クロージングに入る前に、「本日のお問い合わせや別のことでもかまいませんが、何かご不安やご不明なことはございませんか」と、心をこめて声をかけることが良いです。もちろん、お客さまが電話を終わりたそうな場合には、無理に入れる必要はありません。ただし、お客さまが会話の中で十分に納得しているようであっても、不明点や不安なことを尋ねると、質問や会話の振り返りを求めるお客さまも多くいます。納得感や安心感を醸成するために有効なシーンと言えるでしょう。
ポイント④ 気遣いトークが次への糸口になる!
一般的でかつシンプルなクロージングは「本日はお電話ありがとうございました。本日は○○を承りました。失礼いたします」です。必要に応じて、これに今後のプロセスのご案内や「また、何かありましたら、お気軽にご連絡ください」といったメッセージを加えることもよく行われます。
さらに最近では、「暑い日が続いています、○○さま、どうぞお体を大切にお過ごしください」といった気遣いの言葉を添えることも増えています。これらの言葉を丁寧に親しみを持って伝えると、瞬時に温かな雰囲気が広がることがあります。特に継続的なコミュニケーションの場合、非常に効果的です。
いかがでしたでしょうか。オープニングとクロージングは、会話全体における時間の割合はわずかですが、顧客との対話の品質には予想以上に影響を及ぼします。ぜひ一度、振り返ってみるのはいかがでしょうか。今後の電話応対のヒントになれば幸いです。
株式会社 booster 石橋由佳
サービスのご紹介
boosterのコールセンター向け研修は、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れ、楽しみながらアタマとカラダで吸収することができるカリキュラムです。研修を検討した背景に着目し、明確なゴールを見据えた学習をご提案します。
コールセンターの「感じのよい応対」を目標として、学習効率の高いカリキュラム。「わかる」を「できる」に変えるため、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れた実践型の研修です。