コールセンター 電話応対講座 AtoZ_09

コールセンターの会話における「間」の重要性

コールセンターのお客さまとの会話においては、問題解決や説明のわかりやすさも大切ですが、会話の雰囲気やテンポもお客さま満足に大きな影響を与えます。第9回目は会話における「間」について考えてみましょう。

「間」にはふたつの種類があります。ひとつは、お客さまの話の後にこちらが話し出す際の「間」と、もうひとつは一文中の「間」です。

たとえ同じ内容の説明であっても、この二つの「間」によってお客さまの感じ方や理解度がだいぶ異なるため、より上質な応対には二つの「間」の上手な使い方もマスターしたいものです。

実践ポイント!  

「間」その①  お客さまの話の後にこちらが話し出すタイミング

お客さまが話し終わり、こちらが話す番になった際、お客さまの最後の一言が終わったと同時にこちらが話し始めないようにしましょう。友人同士の会話では通常はテンポよく、お互い言葉が0.1秒程度重なって会話を続けていくこともよくありますが、お客さまとの会話の場合それではいけません。

お客さまの言葉が終わったら、ひと呼吸置いて言葉をかけるようにします。練習では、お客さまのお話が終わったあとにテーブルをぽんと軽くたたいてから話し始めてみてください。一拍の感覚がわかります。応対中には、こくりとうなずぎリズムをつけて「間」をおくことも有効です。どうしてもかぶりがちな人は、話し始める前に小さく息を吸うことで改善されたケースもあるのでぜひ一度試してみてください。

また、セールス型の提案コールなどでお客さまから最終的なYES、NOのお返事をいただく場面では、お客さまがゆっくりとご検討いただけるよう、会話を先に続けてしまうのではなく、しっかりとお待ちすることも大切です。コミュニケーターにとっては、返事がすぐにかえってこない時の時間は長く感じられるため、つい「では、一度ご検討をいただいて~」と会話をつなげたくなります。しかし、その場面では、お客さまはどうしようかと考えるいる最中なのです。あせって間を埋めようとせず、しっかりとお返事をお待ちしましょう。この「間」がしっかりと待てるか否かで、最終的な獲得率なども変わってきます。

「間」その ②  一文中の 「間」

一文のなかにある「、」や「。」に「間」を入れて話すことも大切です。会話の内容はこちらがお伝えしたいこと、お伝えしなくてはいけないことが多くあります。テンポよく会話を進めたいという心理から、つい次々と話してしまいがちですが、間を取らないとお客さまの理解度が下がることがわかっています。こちらにとっては、しょっちゅう話す内容であっても、お客さまからすると初めてきく内容であるということも多いことでしょう。間を取りながら、お客さまにとって理解しやすい会話を意識します。

コールセンターではスクリプトをみながら話すことも多くありますが、その際に、間がなくたたみかけるように話してしまう場面をよく見かけます。例えば、復唱確認をしたあとに本人確認をする流れのコールセンターでは、「本日は◯◯の件ですね、かしこまりました。それでは、お客さまの登録を確認しますので~」といったシーンでの「かしこまりました」の「た」と、「それでは」の「そ」がほぼくっついた状態な話し方です。

下図の◯ように、ひとつひとつの文章をしっかりと区切りながら話すと、お客さまの理解レベルも確保されますし、何よりも感じがよくうつるでしょう。

私は何か困りごとがあった場合によくコールセンターに電話をします。いち消費者として、満足を得られるときもあれば、その逆もあります。なぜそのような違いが出るのかをよく考えるのですが、ほんのちょっとしたことで気持ちが左右されるのだと感じます。こちらの話にかぶって話をされると気分がよくないですし、ゆったりと間をとりながら話をされると、受け止められた感じがするものです。こういった小さな場面にもこだわり、より高いお客さま満足をいただけるようになりたいものです。

いかがでしょうか。今後の上質な電話応対のヒントになれば幸いです。

株式会社 booster 石橋由佳

サービスのご紹介

boosterのコールセンター向け研修は、オリジナルのテキストやロールプレイングを取り入れ、楽しみながらアタマとカラダで吸収することができるカリキュラムです。研修を検討した背景に着目し、明確なゴールを見据えた学習をご提案します。

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