コールセンター 電話応対講座 AtoZ_12

コールセンターの顧客満足に影響する共感のスキル

第12回目は、コールセンターの顧客満足において重要な共感のスキルについて考えてみたいと思います。

コールセンターにおける「共感」とは、お客さまの言葉や感情に対して理解を示し、その気持ちを共有することを指します。この技術は、お客さまとの信頼関係を築き、満足度を高めるために不可欠です。

会話の中で、お客さまは事実だけでなく自分の心情について話をされる場合があります。このとき、お客さまの気持ちを察し、「私はお客さまのお気持ちをきちんと理解していますよ!」と表現することが大切です。言葉や表現に出てこないけれど、お客さまが伝えたいことの存在を意識し、しっかりと向き合うことが求められます。会話を急がず、しっかりと立ち止まってお客さまの心情に同調や共感を丁寧に示します。

このように、お客さまの思いやご事情に共感を示すことで、その方は自分の問題が理解され、適切に対応されていると感じます。例えば、お客さまが困っている状況や不安を話された場合、それに共感することで、お客さまは安心し、問題解決に前向きになります。

お客さまが自分の気持ちを理解されていると感じると、満足度が高まり、信頼関係が築かれやすくなります。共感は顧客サービスの質を向上させる点においても重要です。顧客満足度調査の結果を細かく見ると、コミュニケーターがお客さまのお考えや思いに対して丁寧に共感を示せていた応対が高い評価を得ています。

共感のシーンは気持ちのやり取りとなりますが、コミュニケーターがお客さまに対して共感の気持ちを持つだけでは足りません。電話応対は顔や表情の見えない対話のため、しっかりと技術を使いながら、お客さまに共感していることを伝える必要があります。

それでは、共感の具体的な実践ポイントを整理してみましょう。

実践ポイント!  

ポイント① お客さまの感情を理解し、言葉にする

お客さまの感情を理解し、それを言葉にして返すことで共感を示します。具体的には、お客さまが困難な状況や不安を話したとき、その感情を反映した言葉を返すことが大切です。たとえば、「それは大変でしたね。」というように、相手の感情に対する理解と同情を示すことで、お客さまは自分の問題が真剣に受け止められていると感じます。これにより、信頼関係が築かれ、満足度が向上します。

ポイント② 非言語コミュニケーションを活用する

声のトーンやリズム、あいづちなど、言葉以外のコミュニケーションも共感を示すために重要です。たとえば、電話越しにお客さまの言葉に対して「そうそう」とうなずくことで、関心を示すことができます。目の前にお客さまがいることをイメージするのもよいでしょう。また、適切な間合いや抑揚を使って応答することで、相手の話をしっかり聞いていることを伝えることができます。非言語コミュニケーションは、言葉だけでは伝わらない感情を補完し、より深い理解と共感を示す手段となります。

ポイント③ 課題を共有する

お客さまの問題を自分ごととして受け止め、一緒に解決策を見つける姿勢を見せることが大切です。具体的には、お客さまの問題を「私たちの問題」として捉え、共同で解決策を模索します。たとえば、「その問題について一緒に考えて解決策を見つけましょう」と提案することで、お客さまは孤立感を感じることなく、サポートされていると感じます。このアプローチは、お客さまと協力することで信頼を深め、より良い解決策を見つけるための基盤を築きます。

ポイント④ 過去の経験を活用する

自分の似た経験を共有することで、共感を深めることができます。たとえば、「私も同じような経験がありますので、お気持ちがよく分かります」と述べることで、お客さまは自分の状況が理解されていると感じます。このような経験の共有は、お客さまとの距離を縮め、安心感を与えます。自分の経験を適切に活用することで、お客さまに対する理解と共感を示し、信頼関係を強化します。

お客さまが自分の気持ちを理解されていると感じると、満足度が高まり、信頼関係が築かれやすくなります。共感は顧客サービスの質を向上させる点においても重要です。この機会に、ぜひ共感のスキルを振り返ってみてください。より高いお客さま満足を得られるためのヒントになれば幸いです。

株式会社 booster 石橋由佳

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